暴君トト
チビスケの生前からちょっと危惧していた事がありました。
それはトトと茜の関係性について。
正直この子達は元々仲が良いという訳ではありません。
トト君は、生後1ヶ月でヒゲを切られ親や兄弟から引き離されてたった一人捨てられてしまい、見付けた私と母はすぐに捕獲しようと試みたもののなかなか捕まってくれずに外猫生活を1ヶ月送る羽目になり、そのせいで「人間=追いかけて捕まえようとする=怖い」という図式&トラウマが形成されてしまったという非常に不幸な生い立ちを持っています。
その後何とか捕獲し、病気を治療して、トラウマ克服に4年の歳月をかけた訳ですが(それでも完全には克服しきれていません)、正直それも、チビスケがいなかったら成し得なかった事です。
チビスケが優しく面倒を見てくれたから、トトもチビスケの行動を真似して次第に人間に甘えたり要求したりする事を覚えてくれました。
そんなんで、非常に繊細で神経質なところがあります。
一方の茜はというと、この子も多分捨てられた子なんですが(最初は保護猫として、迷子の聞き込みや捜索もしました)、状況から見て、雨の中道端にいた割に捨てられてそれほどの時間が経っていないだろうという感じで、人間の手を恐れる様子も無かったので、猫として健全に育っていったところがあって、家の中でも他の犬猫に対してそれほど遠慮するという事はしません。
甘ったれで傍若無人というところは、茜と璃緒はとてもよく似ています。
チビスケがいた頃は、あの子が間にいて、緩衝役になっていたところがありました。
危惧していた事というのは、チビスケがいなくなった後、この子達が直接ぶつかり合う事になるのではないか?という事。
そしてそれが現実の事になってきています。
茜は普段ほとんどを私の部屋で過ごしますが、食事はトトのいる居間に当たる部屋で、寒い時はこたつに入ったりもします。トイレとベッドは私の部屋です。
チビスケがいなくなった翌日から、茜はこたつに入ると、トトに追い出されるようになりました。
トトのケージは居間にあって、食事もトイレもベッドもそこ。そして飼い主である母はこたつが定位置なので、居間はトトのテリトリーの一部なんですね。
今までは一番の長老であり、トトも一目おいているチビスケがこたつを定位置にしていて、チビスケは茜がいる事を全然嫌がらないどころか、茜の事もとても可愛がっていたので、茜がこたつに入る事もトトは多分不満に思いながらも従っていたような感じだったんだろうと思います。
茜の食事が居間な理由は、チビスケと同じものを食べていたからです。
そのチビスケがいなくなった事で、トトは自分の気に入らない事を我慢しなくなりました。
母を独り占めして、自分のテリトリーには誰も入れさせたくないようです。
引越し後は、璃緒、茜は完全に私の部屋、トトはすぐ隣で見えますが母の部屋での生活になります。
なので今後大きな諍いは起きないと思いますが、できれば仲良くして欲しいよねーというのが私と母の気持ちです。
ま、無理強いするつもりはありませんが。
顔を合わせれば即喧嘩、という事は無いですが、当初の予想通りに急に威張り出したトト君に、ちょっと呆れ気味…というか乾笑気味の私達です。
思い返せば思い返す程、チビスケの偉大さを感じます。